Everything's Ruined

また息切れしたブログ
ネブラスカ観てきました。あと今年に入って観た映画とか。
0


    今から恋人の実家に挨拶に行くと言ったら後輩は驚いた顔をしてこう言った。
    「手ぶらすか!?」

    いやこれ良かったわー。アメリカの田舎の、どこにも向かわずそこで暮らし続けていた人たちに刻まれた悲しみと裏腹のおかしみというか。モノクロ映画てあんま好きじゃないんだけどこれはモノクロでよかった!わんさか出てくるおじいちゃんたちも良かったけどなんつっても素晴らしかったのはおばあちゃん。マンガにしやすそうなアピアランスから繰り出される辛らつな罵詈雑言の数々。でも嫌いになりきれないっつーね。あとこの兄弟良かった。双子かと思ったらクレジット見る限り他人なのね。




    今年映画館で観たのは今んとここんだけ。

    ネブラスカ
    ダラス・バイヤーズクラブ
    新しき世界
    ラッシュ プライドと友情
    スノーピアサー
    マイティ・ソー ダークワールド
    ウルフ・オブ・ウォールストリート
    アメリカン・ハッスル
    ザ・イースト
    オンリー・ゴッド
    セッションズ

    オンリー・ゴッドが色んな角度から語りたくなるっつーか酒の肴にピッタリの面白さだったし、どれもそれぞれ面白かった。でもなんか最近実話ベースばっかよね。ウルフとアメリカン・ハッスォも実話ベースなんですけど観に行ったときの予告がひたすら感動の実話モノばっか。「ダラス・バイヤーズクラブ」「大統領の執事の涙」「フルートベール駅にて」「それでも夜は明ける」。いやいいっすよ実話かフィクションかなんか面白ければどっちでもいいんです!でもさ!あんま実話ウリにされちゃうとさ!なんかこう、もっとぶっ飛んだ「オマエのアタマん中どうなってんだよ!」っつー天井知らずの想像力見せつけられるの欲しくなっちゃうんですよ!

    っつーオッサンのグチはともかくとしてウルフ・オブ・ウォールストリートがデカプリオ祭で凄かった。レモン(ドラッグ)キマってからの10分近くがアホすぎて最高だった。




    あと薦められてDVDで観た「偽りなき者」ももんのすげーズッシリきました。デンマーク版「それでも僕はやってない」なんだけど、北欧の閉鎖的な村社会の怖さがこれでもかと。




     
    | 映画 | 19:44 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    2013年 Best 10 Movies
    0

      1位から4位までは順不同で好きであります。
       

       

      1位【きっと、うまくいく】

      おいおいうまくいかなくて最悪じゃねえか・・・ってとこもあるけどとにかく伏線の回収具合が痛快すぎるし、くもりのないパワーに泣かされた。歌&ダンスシーンが少ないのがむしろ残念なぐらい全編魅力的だった。
       

       

      http://www.youtube.com/watch?v=LqT4ShUM3MY&
       

       

      2位【プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ】

      見た直後よりその後マイク・パットンのサントラ聴きながら思い返してからの方が高まった。時の流れと血の繋がり、あとレイ・リオッタについて考えさせられる映画であった。
       

       

      http://www.youtube.com/watch?v=PVMASAsKFb4
       

       

      3位【ゼロ・グラビティ】

      話自体はシンプルなんだけど、とにかく映像体験としての凄さと意外と自然に伏線(というか仕掛け)張ってサクサク回収、のわかりやすさがうまかった。緊迫感凄すぎるし無限の宇宙空間だからこその息苦しくなるまでの密室劇というか。家で観るもんじゃなくて必ず映画館で観るべし!という意味では非常に映画であった。とりあえず遅刻とかしたら「いやー奇想天外なことあってさ!聴きたい?」と相手に言いたくなる映画でもある。
       

       

      http://www.youtube.com/watch?v=aE6o6WvObKk
       

       

      あとこれ、観た人に是非観て欲しいあのシーンの、無線の向こう側。
       

       

      http://www.youtube.com/watch?v=0zcYkuIzzy8
       

       

      4位【フィルス】

      前半のいかにもイギリス(スコットランド)コメディ映画っぽいノリから後半の容赦ない抉られ感。良かったわー。マカヴォイの顔芸映画でもあった。見終わったあとしばらくアイー?アイー?言いたくなる。
       

       

      http://www.youtube.com/watch?v=l-r0Rke6HP0
       

       

      5位【鑑定士と顔のない依頼人】

      なんかこう細かいこと色々言いたくなるところも含めてすっげえ面白いミステリー。2次元女しか愛せなかった悲しき美術ヲタおじいちゃんのお話!
       

       

      http://www.youtube.com/watch?v=3a5hxZ-chfM
       

       

      6位【私はロランス】

      俺はさだお。監督がまだ24歳の上に名前が「グザヴィエ・ドラン」ですからね。藤原竜也が叫びそうな名前です。若い監督がやりたいこと、見せたい演出すべてぶっこんだような派手映画だった。若さゆえの自意識への耽溺っぷりをきちんと昇華してるところがすごいな。
       

       

      http://www.youtube.com/watch?v=_66BSala0gc
       

       

      7位【トランス】

      トレインスポッティング絡み&マカヴォイ映画2本目。

      こちらもついツッコミ所を探しながら見てしまう映画ではあったけども、そういうのを乗り越えるダニー・ボイル感が炸裂していたというか非常におもろかったです。マカヴォイはこっちの映画でもだらしない体をしています。
       

       

      http://www.youtube.com/watch?v=fMA4IGrSNSM
       

       

      8位【ザ・マスター】

      演技と演技のガチンコファイトクラブやぁあ。自分の中で処理しきれないモノを残してくれる映画でした。本当に、ありがとうごザマスター!!(ホアキンと同い年!)

      ジョニー・グリーンウッドの音楽も印象的だったしあの燃料混ぜて作る飲み物も飲んでみたい。

      http://www.youtube.com/watch?v=LiIbf7fbk-8

       

       

      9位【世界にひとつのプレイブック】

      極端で生き辛さ抱えてます映画は多いけどそこに父子関係とか絡められるとやっぱグッときてしまいました。上半期にブラッドリー・クーパー物3本見たんだな。プレイス〜とコレとハングオーバー!!!(これ期待はずれだった)。
       

      http://www.youtube.com/watch?v=GLbxGZ0tqgw

       


      10位【クロニクル】

      あまりにAKIRA!そしてクローバー・フィールド!デイン・デハーンに向かっていつ「さんを付けろよデコすけヤロウ!」というセリフが向けられるのかドキドキして観てしまいました。そういや今年はデハーンモノも多かったね。プレイス〜、クロニクル、メタリカのやつ。
       

       

      http://www.youtube.com/watch?v=n3A25t2-d3Q
       

      今年他に観たのは合計47本。他に面白かったのは
      横道世之介
      キャビン
      シュガーマン マーサ、あるいはマーシー・メイ
      アイアンマン3
      ジャックと天空の巨人
      ジャンゴ
      ホワイトハウス・ダウン
      エリジウム


      ちなみに期待ハズレof the Yearはハングオーバー!!!、オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ、んでもって手ブレカメラ酔いで気持ち悪くなってロクに観れなかったのがキャプテン・フィリップスとハッシュパピー。
       

      | 映画 | 17:18 | comments(0) | - | - | - |
      キッズ・オールライト
      0


        天気のいいゴールデンウィーク!青い空!爽やかな風!新緑!でもどこもかしこも人ばっか!

        二日酔いは酷いしインスタに上がる「遊んでます写真」は楽しそうというより「良くそんな人ばっかんとこ行くね・・・」と思うようなものばかりなのでメシ食って録画しといたコレ観てました。

        レズビアンカップルの子どもたちが精子提供者である医学上の父親に会いに行ったことから始まる家庭崩壊の危機を描いたお話。

        シチュエーションというか舞台設定はともかく、話自体はありふれた家族愛確認モノ。面白いなと思ったのはアネット・ベニング演じるニックのマッチョな父親ぶり。性同一性障害ではなく、あくまでレズビアンという設定ではあるが、役割が完全に負の意味での男性性のそれ。ジュールズを家庭に置いておきたがったり、自分の収入をたてにジュールズを責めたり。レズビアンのカップルだけど、だからこその苦労が描かれるわけではなく、二人のスレ違いについては凄く身近な問題を取り扱っていた。

        んでもってこういう話だとその精子提供者が型破りなキャラクターだったりもするんだけどこの映画では凄く自然な成功を収めた独身貴族なので、最後に彼だけがはじかれてしまったのは少しかわいそうな気もする。家族の中の不協和を彼に対してぶつけて都合よく扱ってポイーみたいな風に映ってしまった。ニックがポールに吐き捨てた「家族が欲しいのであれば自分で作りなさい」というのも凄く「昭和の父親」が「自由な若者」に対して言いそうなセリフだったなあ。リベラルな設定なのに、凄く保守的な結末だったのはなんか不思議だった。

        それにしてもジュリアン・ムーアはいくつになっても脱ぎ惜しみしないというか、おっぱい云々よりも肌がまたなんか凄くリアルだなあと思って毎回観てしまう。


        | 映画 | 19:36 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        ベスト・キッド
        0
          友人に薦められたので見てみた。オリジナル版は子どもの頃観て面白いと思ったしちゃんと燃えたけども、大人になってからこの手の映画観たいかっていうとなかなか食指が動かないのでスルーしてました。

          でもなんなのこの極悪指導者。年齢層下げちゃったことで対決や修行の悲壮感がないし、指導者の極悪さにリアリティが無くなっちゃうんだよね。もちろんガチガチのリアリティを求めてるわけじゃないけどもいくらなんでもこんな極悪な指導者おらんやろ過ぎて物語に入り込めず・・・。

          あとジェイデン・スミス演じる主役のドレもなんつーか元々色々できて能力の高い子で、いじめられっ子気質どころか引っ越してきた初日に友だちどころかガールフレンドまで作ってしまうようなチャラいリア充タイプ。修行も上に書いたように苦しみを乗り越えてってよりなんだかんだで楽しくやってるうちに強くなっちゃってすべてを手に入れちゃいましたみたいな感じだったなあ。

          その分ジャッキー・チェン演じるミスター・ハンの再生ストーリーでカバーしてるんだろうけど、全体の印象としてはあまり良くならんかった。


          | 映画 | 13:41 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          キャビン
          0


            「バカンスで大騒ぎする若者たちが恐怖に陥れられる定番の展開を、あえて覆すことに挑戦した異色のスリラー。」というようにyahoo映画では書かれてますが、それだとスクリームの二番煎じなのよね。この映画はそれを踏まえた上での、さらなる脱構築映画だった。

            それこそネタバレをしないで書きたい映画なので慎重にならないといけないけど、あの手のSFを総括してしまった宇宙人ポールに対するあの手のスプラッタホラーからの回答といった感じ。そういう意味ではホラー映画リテラシーが高い方が楽しめるとは思うんだけど、それナシでも十分おもろいと思う。今までの「所謂ホラー映画」はここでとりあえず打ち止めになるよね。この映画の後にさあどういうホラー映画が生まれるだろう。そういう楽しみも生まれてくる。いやおもろかったです。話題になってるだけありました。楽しかった!

            で、俺の映画観た後の大切な儀式として、「気に入った女優の名前 NUDE」で検索するクセがあったので、今回は「Kristen Connolly NUDE」で!
            | 映画 | 23:22 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            パーフェクト・センス
            0

              ムーヴィープラスでやってたので観ました。公開当時も気になってたんだけどあんまいい評判聞かなかったのでスルーしてしまった。

              「感染すると次第に五感が奪われていく奇病が蔓延する世界で、運命的な出会いを果たした男女の愛情を描くパニックドラマ。感染すると嗅覚を失う原因不明の病がイギリスから欧州各国へと広がり、感染症を研究する専門家のスーザンも何も分からず困惑する。そんなある日、スーザンは、感染症の影響で客足の途絶えたレストランでシェフのマイケルと出会うが、2人もまた病に感染し嗅覚を失ってしまう。そして人々は嗅覚に続き味覚、聴覚と次第に五感を失っていき、世界は荒廃していく。」

              いやこれパニックムーヴィーかと思ったら全然違った。もちろんそういう感染症云々の恐怖であるとかパニックが描かれていないわけじゃないんだけど、まあ単純に言えばラブストーリーで状況としては「人類滅亡」みたいな大きなものなのに、世界がどうなったのか、ということにはあまり重きを置かれていない。もともと世界系とは似て非なる「結局は個人の話に落とし込まれるスケールのでかい話」ってのが好きなので俺はこういうのがいいんだが、そこを「だからこそダメ」にしてしまう人の気持ちもわからないでもない。

              それぞれ感覚を失う直前に感情爆発が起こってそれは嗅覚のときには「悲しみ」、味覚のときは「恐怖(と異常な食欲の発露)」、聴覚のときは「怒り」、そして最後の視覚のときは「幸福感」なんだがその爆発の描写がそれぞれ本当に怖いし、そこにラブストーリーの綺麗事で終わらせない逼迫感をもたらしてて良かったな。自分のときは何に対して悲しみ、何に対して恐怖し、何に対して怒り、誰と抱き合いたくなるだろう、ということを凄く痛切に考えさせられてしまった。映像もキレイだし、音楽の使い方もすごく良かった。聴覚を失ったあとの無音の世界とかすごく独特の雰囲気になってたな。

              まあこんな状況で普通の経済活動が行われたりレストランにみんながメシ食いに来るとかありえないしそんな簡単に人(というより社会)がこんな異常な状況に適応して普通に生活を続けるとかリアリティの無さもすごいんですが、なんかこうそういうツッコミを乗り越えてもなお響くものがあったように思う。

              ラストはハッピーエンドなのかバッドエンドなのかわからないというか、それこそそのどちらでもあるわけですが、悲しげなトーンと悲惨な展開の下で通奏されているのがエヴァ・グリーンのオッパイの素晴らしさ、いやLife Goes Onというメッセージ。同じぐらいの頻度で出てくるFat and Flour(小麦と油)は「大切にしているものなぞいつでもその程度のものでしかなくなる」ていうメッセージだと思うんだけど、それでも何度も繰り返されるLife Goes Onという言葉によって人間てのはなんだかんだでその場のベストを尽くすしベストな楽しみを見出そうとするよね、という人間賛歌になってると思う。陳腐っちゃ陳腐なんだけどさ。マイケルがレストランのオーナーに「とりあえず、外出てタバコ吸いましょう」って誘うシーンとか良かった。

              「で、触覚は?」という余韻を残しつつ、凄く好きな映画になりました。

              そういえば「ジャックと天空の巨人」に続いてユアン・マクレガーとユエン・ブレムナーのトレインスポットコンビの映画でした。
              | 映画 | 14:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              ジャックと天空の巨人
              0
                 

                この映画の前に「ザ・マスター」を観てるんだけどすげー良かった。でも自分の中での落としどころとか見つからないので感想とかヒネり出せなくて放置してあります。もう1回観たいなあ。

                で、こちらはそういうめんどくささは皆無なのではないかというジャックと豆の木。そもそも予告が凄まじく期待できなそうだし、吹き替えがウェンツってのを前面に出してる時点でスルー決定だったんですけどどうも評判がすこぶるよろしい。子どもが見たらトラウマになるとか進撃の巨人ぽいとかそういうの。で、気になってたので観に行ってきました。

                ってかそもそもPG13なのな。

                映画を観初めてしばらくしてから主役のジャック役がアバウト・ア・ボーイのあの不思議な雰囲気の男の子だと気づいた。これは!なんと立派な半イケメン!超半イケメン!(他の映画ではちゃんとイケメンらしい)

                で、確かに子どもの頃に読んだジャックと豆の木の単純な映画化じゃなかった。巨人は確かに怖い。そして謀略によるサスペンスなども面白い。ちゃんと見ごたえのある映画になってた。特に終盤の迫力とやべえどうなっちゃうん感にはドキドキいたしました。絶妙な「期待しないで観たら面白かった」感なので、なんだか得した気になりました。

                でもアレよね、橋の攻防については、あんだけやったらそもそも木造の橋は砕けちるよね。
                | 映画 | 21:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                ザ・マスター
                0


                  いやいやいや。凄い映画でした。どんな映画なのか、観終わった後にそれを表現するのがすごく難しい。狂気を描いたわけでも、カルトの洗脳やいかがわしさを描いたわけでもない。救いを描いているわけでもない。ドッドとフレディの愛憎だけの話でもない。とにかく語りつくせない。妻との関係、息子との関係、救済とはなんだろう、色んなことがつきつけられて正直キャパオーバーです。

                  それらのテーマの提示の自然さ、そしてそれを表現する演技の緊張感の凄まじさ。いやこういうのをどう表現したらいいんだろな。

                  ホアキン・フェニックスは時々トミー・リー・ジョーンズみたいな老け方してたけどまだ40前なのなあ。フィリップ・シーモア・ホフマンとのフルコンタクトな演技のぶつけ合い、凄まじい迫力でした。一つ一つのシーンも印象的だしそれを彩るジョニー・グリーンウッドの不協和音を伴う音楽も素晴らしかった。

                  自分の中で落ち着かないのでもう1回観に行ってからじっくり感想まとめたいなと思っております。


                  | 映画 | 00:01 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  シュガーマン 奇跡に愛された男
                  0


                    今年の花粉症は例年より多目とは言え、30過ぎてから増えた「こんなの・・・っ はじめて・・・!」な目の辛さ。痒みももちろんなんだけど、涙がずっと止まんなくてさ。世界中の悲しみが俺に集まってきたのか!ってぐらい止まらない。いや世界の悲しみを背負うことはやぶさかじゃないんだけど、単純に目ヤニが辛いんですよね。朝起きるとALICE IN CHAINSのMan in The Boxのラストに出てくる爺さんみたいに目が固められてて開かないの。


                    ホント目の周りの皮膚もただれてヒリヒリしてるし目の周りのおかげで15歳ぐらい老けて見えると言われる始末。いやきつい。でも花粉症ってこんなだったっけ?もうこれ花粉症じゃなくて他の症状じゃね?と思うようになってきた。とりあえずアレルギーの目薬じゃなくて結膜炎の目薬に代えてみることにした。そしたらちょっと・・・良くなった・・・ような?いや素直に目医者行こう。メイシャ・イコーダンテ。

                    そんな辛さにも負けず、シュガーマン観てきました。JOURNEYに続いて音楽ドキュメンタリー。

                    貧困の中歌われる刺激的な歌詞やどこか乾いた触感がありながらメランコリックな曲調が権力層に対する不満や反アパルトヘイト運動と結びつき、南アフリカでは50万枚を売り上げる大ヒットアーティストのロドリゲス。しかし素性はまったくわからない。「ステージ上で拳銃自殺した」「刑務所でドラッグ中毒で死んだ」などの噂だけが残っている。熱狂的なファンの二人が伝説的存在、いや都市伝説的存在である彼の素性を探る物語。

                    ロドリゲスの死の真相を追究しながらの前半は、徐々に目的に近付いていく宝探しっぽさが面白い。関係者のインタビューと、彼の音楽の魅力が語られるんだが、歌詞を見ながら聴く彼の音楽は確かに魅力的。装飾がなんかダサく聞こえるものの(ってか不要な装飾が多い気がした)曲自体にはメキシコ系ゆえの哀愁があっていい。いきなり「クリスマスの2週間前に職を失った〜」とか歌われると否が応でも耳を惹かれちゃうよね。

                    で、彼の行方を捜すファン二人は当然のようにレコード会社にアプローチして印税の流れを知ろうとする。UFOの真実を探求すると必ず大きな力が働いたかのように情報がシャットアウトされてしまう!という矢追純一のように、彼らは行き詰まる。ここなんでダメだったんだろな?どんなシャットアウトだったのかちょっと気になります。歌詞の中のふとしたヒントからデトロイトに向かってからはモータウンレコードの社長や関係者にも普通に会えてるっぽいしさ。

                    このモータウンレコードの社長は悪役感たっぷりでこういう人が出てくると、俄然面白くなるんだが、(明らかになんか悪いことしてる感じの態度と口ぶりではあるものの)ちゃんとこうして取材に応じてるということは印税の流れを探る上で働いた大きな力はアメリカサイドじゃなくて南アフリカのレコ社によるものなんだろかしらね。

                    以下ここからネタバレアリ。

                    結局印税の流れの謎はわからなかったけど、サイトに出した「この人を知りませんか」HPがなんと娘に発見される!1997年つーと日本ではまだネットの普及がようやく始まった頃でまだまだ一部の人しかやってないような時代だったけどアメリカではそれなりに一般的になってたんかな。そうだっけか。覚えてない。

                    そして娘に発見されちゃえばあとはもうとんとん拍子ですよね。そりゃもうそうなりますよっていう。

                    でもこのロドリゲスって人、キャラ立ってたなあ。同僚も元々「あいつ変わってるな」って思ってただろうなあっていう雰囲気で。この人の飄々とした雰囲気が物語に一層の厚みを加えてる。やっぱ「そういう人」だからこそ作りうる音楽なんだろうな・・・。

                    この辺から「人生の選択」というテーマが表に出てくるようになる。ここは各自が考えるべき問題だし映画の中にもちろん答えがあるわけではないけども、繰り返し流れるSugar ManやI Wonderが体に染み付いてくることもあって、ホントじんわりといい雰囲気になってくる。終わったあと一緒に観た人とこんなことを語りたいな、みたいなさ。

                    ただ、映画だと「南アフリカでのツアーの後彼はまた同じ生活に戻った」みたいな雰囲気だしだからこそ「人生の選択」というテーマに重みが出る気がするけど何気に最後にさらっと「その後も30回ライブやりました」みたいな字幕出てちょっとコケた。

                    でもホント良かったわ。
                    続きを読む >>
                    | 映画 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン
                    0

                      ジェフ・スコット・ソート脱退(解雇?契約満了?)後、ヴォーカリストの人選に困ったニール・ショーンがyoutubeで見つけたシンガーを新ヴォーカリストに抜擢!というシンデレラストーリーのドキュメンタリー。

                      最初にこの映画の話を聴いたとき、他にもこういうのあったよなあ・・・と思ったんだがそうだ、JUDAS PRIESTのトリビュートバンドに在籍していたティム・リッパー・オーエンズが本家JUDAS PRIESTのヴォーカルに抜擢、というアレだ。映画の出来を見てバンド側がウンザリしたのかいつの間にか「あれはティムの話ではない」となってしまった映画、ロックスター。


                      懐かしい。そういえばこれもJEFF SCOTT SOTO絡みですね。

                      とロックスターは失敗したけどJOURNEYはドキュメントという形をとりました。スポットライトを当てるのはもちろんその新ヴォーカリストのアーネル・ピネーダなんだけど、彼のサクセスストーリーだけでなく、生い立ちや経歴が掘り下げられること、さらにはその成功への謙虚な態度と感謝の姿勢が素晴らしいことなどから、見ると彼の人柄を好きになってしまいます。なぜかヌードシーンも満載です。英語で話してるのに英語字幕つけられてたのなんでだろ。

                      そしてJOURNEYファンとして面白かったのはツアーの裏側。ジョナサン・ケインがあそこまでヴォーカルトレーナー的な立場でアーネルを鍛えていたってのは想像しなかった。また、ニールとジョナサンによるアーネルのオーディションシーンなんかでも素人の耳とは全然違う「音楽家の耳」で聞いてるんだってのがわかってカッコよかった。

                      個人的に嬉しかったのはきちんとスティーヴ・オージェリの件にも触れられていたこと。ジェフ・スコット・ソートは黙殺かよ!と思ったけどそもそもロバート・フライシュマンにも触れられていないのでオージェリパートがあっただけでも良しとしよう。

                      Don't Stop Believin'て個人的にはJOURNEYの曲ですげー好き!てほどじゃなかったんだけど、この映画のラストにかかるマニラでの凱旋ライブでの歌には感動してしまった。だからこそ後半バッサリカットしないでフルで観たかったけども!

                      そういや途中Open Armsで共演してるのはどこのオペラ歌手?と思ったらアン・ウィルソンでしたね。
                      | 映画 | 21:02 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                           12
                      3456789
                      10111213141516
                      17181920212223
                      24252627282930
                      31      
                      << March 2024 >>
                      + SELECTED ENTRIES
                      + RECENT COMMENTS
                      + CATEGORIES
                      + ARCHIVES
                      + MOBILE
                      qrcode
                      + LINKS
                      + PROFILE
                      + OTHERS
                      このページの先頭へ