■ガンダム THE ORIGIN 19巻
いよいよソロモン編に突入。ドズルの死亡フラグが丁寧に立てられているが、時々おちゃらけムードになるのは安彦ガンダムの味ながら、ちょっと抵抗がある。モスク・ハンのエピソードはそこまで重要ではない気がするけど、ここでまたアムロのワガママっぷりが炸裂。いいんだろうかそれで。
また、ハヤトのアムロに対する複雑な感情や、フラウとのスレ違いなど成長に伴う離別なんかも描かれていて、テレビ・映画版よりさらに青春群像劇としての深みが増している気がします。
もちろんスレッガーの最後の出撃前のミライさんとの絡みも丁寧に描かれているし、この後待ち受けている展開を知っていると切なさが増す。一時期荒れが見えた絵も、随分と落ち着いてきているし、クライマックスに向けてテンションが高まるなあ。
■ガンダム THE ORIGIN 愛蔵版V
愛蔵版もついにシャア・セイラ編に突入。もちろん前にも読んでいるととこだけど、本当にこのパートは面白い。ランバ・ラルとクラウレ・ハモンは元より、そこにタチがいるのがいいし、ドズルの人間性が場面場面でしっかりと描かれていて、否が応でも好きになってしまう。
スター・ウォーズのエピソード1,2,3は4,5,6と比べたらあまりにもつまらない作品だったが、作ったことによって4,5,6に出てくるキャラクターたちへの思い入れが深まるという意味では有意義なシリーズだった。しかし、このシャア・セイラ編は「その後の彼らに対する思い入れが深まる」っつーレベルではなくて、「ひとつの物語」として本編に負けない(むしろ、読んでいるう間は本編を読んでいる以上の)面白さがある。ガンダム知らないっつー人にはむしろここから読んでもらった方がいいんじゃないかって感じで。
■レッド 3巻
山本直樹なのにエロがない作品。でも、なんか条件反射なのか山本直樹の描くキャラの線からもエロを受け取ってしまいます。
「60年代的なもの」に対する知識がまったくないまま読んでます。イデオロギーの交錯や、色々な準備はあるんだけど「大きな展開」がないまま3巻まで来た気がする。ただ、こまめに「登場人物の成り行きのカウントダウン」が示される分、変な緊張感というか不穏さが浮遊している感じ。
単行本派の俺にとっては1巻ごとのインターバルが長い分キャラクターを覚えることができないというか、そもそも全員のキャラが非常に薄味。それが登場人物たちの「普通さ」を強調してるのかもしれない。
行く末は記されているが、なかなかそこに近づかないのが「じれったい」とも違う不思議なもどかしさを産んでいる気がする。
■とめはねっ! 五巻
僕は読むとすぐ影響される人なので、岳を読んでは山に登りたくなり、これを読んでは習字やりたくなります。単なる教養モノってわけじゃなくて薄味の学園ラブコメって感じの面白さもあるからつい読んじゃうんだろうか。もやしもんと似た感じ。
なんか絵がモテリーマン講座の絵っぽいよね。陰影や筆圧の強弱をあまり使わずに同質の線と平面が独特の味になってる、みたいな。こういうのって多いのかしら(よくわかんない人)。